REACHについて

REACH (Registration、Evaluation、Authorisation and Restricthion of Chenmicals)は2007年にスタートしたEUにおける化学物質の総合的な登録、評価、認可、制限の制度です。(農薬や医薬品は対象外です)

1. REACH 制度の概要

① 登録 Registration

② 評価 Evaluation

③ 認可 Authorisation

④ 制限 Restriction

⑤ サプライチェーンにおける情報伝達

2. SVHC 高懸念物質について

高懸念物質(SVHC)の対象は以下の通りとされています。

  1. 一定程度以上の発がん性・変異原性。生殖毒性物質(CMR物質)
  2. 残留性、蓄積性、毒性を有する物質(PBT物質)
  3. 残留性および蓄積性が極めて高い物質(vPvB物質)
  4. 上記以外の化学物質で、内分泌かく乱特性を有しており、人の健康や環境に深刻な影響がありそうなもの(個別に特定)

SVHCは2007年の第1次指定物質15物質に始まり、2016年6月20日の第15次物質まで169物質が、Candidate Listに載っています。
第16次候補は6物質が既に公表されており、2016年12月頃に確定すると予想されます。
SVHCは逐次追加され、最終的に1500物質くらいになると言われているので、常に最新情報を入手するよう注意を払う必要があります。
第1次〜第15次物質および第16次候補のリストは別紙を参照して下さい。

SVHCを0.1%以上含有する物質(含む混合物)の供給者は要求があればSDSを提供しなければなりません。また、SVHCを0.1%以上含有し、かつ成形品の製造量または輸入量が年間1トンを超える場合、製造者または輸入者は届け出をしなければなりません。
通常のゴム製品の場合、SVHCの配合量が0.1%未満ということは考えにくいので、SVHCを配合する製品(配合ゴム)は対象になると考えねばなりません。

3. RoHSとの違いについて

REACHはRoHSと異なり、使用禁止ではありません。年間の製造量、輸入量が1トン未満であれば登録対象となりません。
1トンを超える物質は欧州化学物質庁に登録する必要があります。
SVHCに指定された物質であっても使用禁止ではなく、行政庁に申請して認可を得れば使用することが出来ます。
とはいうものの、SVHCの使用認可のハードルは高く、認可を得るのは容易ではありません。
SVHCの多くは化管法、PR-TR法、労働安全衛生法等の対象にもなっており、製品を欧州に輸出している自動車メーカー、電機メーカー等は独自にグリーン調達基準を設けてSVHC物質を含まないことを要求されているのが現実です。

REACH制度に関する参考文献は多数ありますが、特にゴム工業に関しては、日本ゴム協会誌 2010年 Vol 83 (8) P252-257 を参照してください。

※本内容は蓮見-RCTによる編集のもと同社の許可を得て転載しております。

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